2012年11月17日

第9回 嵯峨天皇(薬子の変)

009-2

「冬嗣、困ったことになったぞ。」


「まことに困りましたな、陛下・・・・。」



この時代、帝の命令などを大臣に取り次ぐのは、尚侍に任ぜられた女官が行うことになっていた。


嵯峨天皇が即位したとき、その尚侍の職にあったのが、嵯峨天皇の兄である平城太上天皇の寵愛を一身に受けていた藤原薬子だった。



「薬子がいなければ、命令を出しようが無い。」



嵯峨天皇が嘆くと、藤原冬嗣が更に悪い予想を出した。



「薬子は尚侍の役職でございますから、帝の命令を大臣たちに取り次げます。もし、薬子が平城太政天皇の命令を取り継げば、それを防ぐ方法はございません。」



この時代、太上天皇も、天皇と同じか、それ以上の権能を有すると考えられていたのである。


現に前代では、孝謙上皇は淳仁天皇を廃して、称徳天皇として重祚していた。



「ならば、尚侍に代わって命令を伝達する役職を、早急に作らねばならぬな。」


「はい。」



こうして嵯峨天皇は、
810(大同5)年、新たな秘書役として蔵人所を新設し、藤原北家の冬嗣と巨勢野足を蔵人頭に、清原夏野らを蔵人に任命した。



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sunwu at 10:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)天皇親政時代 

2012年11月16日

第8回 桓武天皇(平安京)

008-3

日々、桓武天皇は悩んでいた。



「寺社の勢力が国政に介入するのは如何なものか。寺社の勢力を排除するのは、如何すれば良いか!?」



そんなとき、藤原式家宇合の孫種継が、意見をした。



「大和から山背へ遷都されてはいかがでしょう。」


「遷都か。」


「はい、その際に、寺社の移築を禁じれば良いのです。」


「そうか、大和と山背に離れれば、簡単に寺社が介入できなくなるか。」


「はい。」



こうして桓武天皇は、山背国への遷都を決めたのである。


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sunwu at 17:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)天皇親政時代 

2012年11月15日

第7回 藤原仲麻呂(恵美押勝の乱)

007-1

「陛下、上皇の道鏡に対するご寵愛は度が過ぎております。」


「わかっておる、そのことは朕も心を痛めておる。」


「上皇は、陛下のお言葉も耳には達せませぬか。」


「うむ、最近は、お会いすらして下さらぬ。」



孝謙上皇が近江国保良宮にいたとき、病を患った上皇を看病したのが道鏡であった。


道鏡は、それ以来、上皇の寵愛を受けることになった。


道鏡は更に上皇の権威を背に、国政にまで口出しを始めた。


藤原仲麻呂にとって、面白いはずも無かった。


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sunwu at 15:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)天皇親政時代 

2012年11月14日

第6回 聖武天皇(大仏開眼)

006-2「これは長屋王の祟りだ!!」



都に住む誰もが口にした言葉だった。


737
(天平9)年、天然痘の猛威が日本を襲った


身分の尊貴に関係なく、バタバタと人が死んでいった。


この天然痘の大流行は、遣新羅使により、朝鮮半島から持ち込まれたというのが通説であった。


ところが近年、遣新羅使が新羅に到着する前に天然痘による死者が出ていたことから、日本から朝鮮半島に広まったと考えられる。


日本の朝廷では、藤原不比等の子の四兄弟を筆頭に、多くの太政官が死没してしまい、大混乱に陥った。



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sunwu at 15:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)天皇親政時代 

2012年11月13日

第5回 持統天皇(大宝律令)

005-2681年に天武天皇は、皇子、諸臣に対して、律令制定を命ずる詔を発令していた。



「よし、出来たぞ!!」


「完成した!!」


「あー、長かったが、やっとできたな。」


「これで唐に比肩する律令国家になれるぞ。」


「これで、今は亡き天武天皇への期待に応えられた。」



刑部親王、藤原不比等、粟田真人、下毛野古麻呂らは、感慨に耽っていた。


天武天皇に命じられてから二十有余年、日本初となる律令を完成させたのである。


律とは現在の刑法であり、令とは現在の民法、行政法である。


令については、近江令、飛鳥浄御原令が先行して発布されていたが、律は伴っていなかったのである。


ここに、日本最初の大宝律令が完成したのである。


この命を受けたのが刑部親王、藤原不比等、粟田真人及び下毛野古麻呂たちであった。



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sunwu at 09:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0)天皇親政時代 
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